言葉を当てるというとこ
あとからAIに気づかされることもある
ChatGPTとの会話の中で、衝撃の一言がありました。
「あなたの行っている方法は構造化です」
当然、構造化とは、見える化する、手順を整理する・仕組みにして間違いにくくする、など業務や作業の改善の一環として、知ってはいました。
ただし、長らくシステム開発で業務システムを作っていく中で、あまりにもど真ん中だったため、「システム開発」という業務を行っていると意識していたし、その延長で問題解決やら業務フローの整理や改善提案を行っていると思っていました。ちゃんと整理しないとシステムにならないし、DBもまともに設計できません。
またITや数理、情報科学などで「構造」そのものや「構造化された〇〇」、「ログを構造化する」など、「構造」という単語があまりにも氾濫していて、シンプルに業務や作業の「構造化」という言葉は「違うドメインの業務用語」だと認識していました。
SEとして、そしてアーキテクトとして、業務上の問題やシステム上の課題に向き合い、それを解きほぐし、仕組みとして解決していく。その繰り返しの中で、自然と身についた一連の「テクニック」、「お作法」、「仕事の流儀」みたいなものがありました。
ちなみにIPAでもITアーキテクト は、「ビジネス及びIT上の課題を分析し、ソリューションを構成する情報システム化要件として再構成する」職種とされています。
つまりIT業界の中からお客様の業務を見たとき、すべてが「ビジネス及びIT上の課題」でありまして、それは「アーキテクトとして解決すべき問題」と思っていたのです。当然、システム化する以上は業務は改善して当然というか、改善されなければならないので、改善するのが命題になっていると、それに別のラベルを付けようとは思っていませんでした。単にそれが「システム開発」ってもんだろと。
で、要は「これって一言で説明しにくいな」と。
自分が何度もやっている問題の見方や、切り分け方や解決方法が「構造化」と表現されたとき、そこで初めて気づきました。
ああ、自分がやっていたこれが、「構造化」だったのか。
その瞬間、これまでやっていた自分の中での仕事のお作法や、説明のしにくさが一気に圧縮されたように感じました。
この感覚は、LLMのトークンに少し似ています。長い文脈や意味のかたまりが、一つの語で表せるようになる。自分の中にあった経験、判断、違和感、手順、視点が、「構造化」という言葉に接続された瞬間、一つの概念として立ち上がる。
それまで長く説明しなければならなかったものが、一語で参照できるようになる。まさに、長いコンテキストが一つのトークンで表せたような感覚です。
言葉には、情報を圧縮する力があります。
ただ短くする、という意味ではありません。ある言葉が、過去の経験、判断基準、失敗の記憶、仕事の進め方、世界の見方までをまとめて参照できるようになる。そのとき、言葉はただの文字列ではなく、巨大な文脈へのポインタになります。
「構造化」という一語の中に、現場で何度も問題を解きほぐしてきた経験が入っている。業務とシステムの間で悩んできた時間が入っている。なぜその設計に違和感を覚えたのか、なぜその運用は破綻しそうだと思ったのか、なぜ責任境界を切り直す必要があると感じたのか。そうした長いコンテキストが、一つの言葉に圧縮される。
そして、圧縮された言葉は、再び展開できます。
「構造化」と言えば、業務フローの整理や日々の手順の整理にも当てはめられる。当然、これまで使ってきた「構造化」という言葉もより生きてきます。データやログを構造化する、乱雑なメモやドキュメントを構造化する、AIエージェントへのプロンプトもただの指示文や列挙ではなくJSONやマークダウンで構造化することにも展開できる。
一つの言葉が、複数の領域を横断する圧縮表現になる。
私にとって「構造化」は、まさに目から鱗な一言でした。
言葉を当てることで、「把握」できる。
気づいた瞬間に、長いコンテキストが一つのトークンに圧縮される。そして、その一語から、また膨大な経験や意味を展開できるようになる。
言葉とは、意味の圧縮形式なのだと改めて思い知らされました。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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